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​水は生命、そして未来のエネルギー

水と共に生きる都市 Vol.6

  • 執筆者の写真: OCI事務局
    OCI事務局
  • 11月9日
  • 読了時間: 2分

〜未来への布石 OCI の視点から〜



オランダで進行中の国際研究プロジェクト「Floating Future(フローティング・フューチャー)」は、海面上昇や洪水、土地不足といった現代社会が直面する課題に対し、「水と共に生きる」という新しい都市のあり方を探る試みです。このプロジェクトには、欧州各国の大学・研究機関・企業・市民団体が参加し、技術だけでなく社会制度、環境、文化を横断した協働研究が進められています。


アジアからは、日本の清水建設株式会社が唯一の参加企業として名を連ねています。同社は自社の技術を提供しつつ、オランダの研究チームと共に、浮体構造の安全性や都市設計のあり方を検討しています。


このような国際連携は、海洋国家としての日本が世界の動きと歩調を合わせ、「水と共に生きる未来」を構想するうえで大きな意味を持ちます。私たちは、この潮流を単なる海外研究としてではなく、「未来社会の方向性を示す実験」として注目しています。


OCI が掲げる「多目的」且つ「移動可能な水上拠点構想」である Project Seatopia は、災害対応・国際交流・環境再生を一体化した海洋基盤づくりを目指しています。それは、Floating Future が追求する「浮体技術を社会に根づかせる研究」と軌を一にするものであり、同時に日本独自の経験と知恵を生かす道でもあります。


たとえば、オランダが洪水や海面上昇に備えるために水上都市を開発しているように、日本も地震や津波と共存するための浮体拠点を考える必要があります。


OCI は、災害時には救援・医療・通信の拠点として、平時には研究・教育・文化交流の場として機能する「海上の多目的都市」を構想しています。この発想は、Floating Future の成果を受け継ぎながら、日本の気候・社会・文化に根ざした「アジア型海洋社会モデル」を生み出すための未来への布石なのです。


また、Floating Future が重視する「市民参加」や「社会的受容性」は、OCI が目指す「水と共に生きる文明の実現」にも欠かせません。海上都市の発展は、技術だけでなく、人々の理解と共感によって支えられます。その意味で、OCI は今後、国際的な知見や連携を取り入れつつ、国内の行政・学術機関・企業・地域社会と協働し、「社会として海と共に生きる基盤」を築いていくことを目指しています。


世界が海洋に新しい希望を見いだそうとしている今、日本からも独自のビジョンを発信する時が来ています。オランダの Floating Future が北海から未来を描くように、OCI は太平洋の島々と日本列島を舞台に、「海洋文明創造」という新しい時代の扉を開いていきます。


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